THE POWER OF FOOD
心と体の調和は食事から
消化力(アグニ)は、アーユルヴェーダで言うところの「若返りの源」。
現代のライフスタイルでは、忙しさやストレスから食事にごだわることが後回しになりがちです。
不規則な食生活が習慣化することで、不安感や気分の落ち込みにつながることもあります。そしてそんな時ほど、いっそう揚げ物や甘いものに手が伸びてしまうのもまた、自然な反応です。
このような「感情に反応する食べ方(エモーショナル・イーティング)」は、味覚の快感で心の不調をまぎらわせようとする行動ともいえます。健全な消化力を取り戻すための優れたアーユルヴェーダ ミールをご提供いたします。

人の本能と現代の食環境
古来、人間は自然のリズムに合わせて食生活を営んできました。甘いものや脂肪分は限られた季節にしか得られず、必要なときに必要なだけ摂るという生活が自然と体のリズムを保っていたのです。
しかし現代では、一年中あらゆる味が簡単に手に入るようになりました。脳は今もなお「甘味・脂肪・塩分 」に反応する本能を持っており、その結果、無意識のうちに過食や偏った食事をしやすくなっています。
こうした食習慣は、アーユルヴェーダでは「アーマ(未消化物)」を体にため込む原因とされ、様々な不調につながる可能性があると考えられています。

アーユルヴェーダ的な食事の考え方
リゾートで提供されるアーユルヴェーダ ミールは、すべてがオーガニック・ベジタリアン。自然と調和し、心と体にやさしく働きかける内容です。
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リゾート内の畑で取れた野菜と果物を中心に、地元産の新鮮な食材のみを使用
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化学調味料や保存料は一切不使用
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精製糖、小麦、過剰な油脂は排除
レストランやガーデンなど、自然とつながる空間で、静かに味わう時間をご提供しています。アーユルヴェーダドクターと専属シェフが連携し、あなたの状態に合わせた最適な一皿をお届けします。
その美味しさは、世界のお客様から大変高評価をいただいています。
六味(ラサ)とその働き
- 味と特徴 -
甘味(Sweet) 心身を落ち着ける。摂りすぎると重さ・疲労・体重増加につながることがある。
例:穀類、乳製品、熟した果実など。
酸味(Sour) 味覚を刺激し、消化を促進。ただし過剰摂取は肌トラブルや熱感につながる可能性あり。 例:柑橘類、発酵食品など。
塩味(Salty) 潤いと柔軟性を保つが、摂りすぎはむくみや肌荒れの原因になることも。
例:天然塩、海藻など。
辛味(Pungent) 代謝や循環を促す働きがある。多すぎると乾燥感やイライラを感じることがある。
例:スパイス類、しょうが、にんにく。
苦味(Bitter) 解毒や浄化を助ける。体が重いときや熱がこもっているときにおすすめ。
例:葉野菜、ハーブ、ウコンなど。
渋味(Astringent) 引き締め作用があり、内臓をすっきりさせたいときに適している。
例:豆類、未熟な果物、お茶類など。
パンチャカルマと食事の連動
消化をサポートする食(アーマ・パチャナ・アハーラ)
体内の未消化物がたまりがちな時期には、果物・野菜・米を中心とした軽い食事で代謝を促します。
前処置期の食(プールヴァ・ヴィレーチャナ・アハーラ)
ギー療法後や浄化前に、軽い酸味のある食材や柑橘類を中心とした食事で腸内の準備を整えます。
おかゆ期の食(ペヤディ・アハーラ)
消化力が落ちているときや治療当日などに、米がゆと副菜のみのシンプルな内容で胃腸を休ませます。
小分け食(ファイブ・ミール・プラン)
食後のだるさや過剰な食欲が気になる方へ、1日5回に分けた少量の食事で、満足感と軽やかさのバランスを図ります。
特別対応メニュー
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乳製品不使用:乳糖不耐症の方に対応
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グルテンフリー:小麦やオートミールを除去
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血糖値コントロール食:糖質を控えめに調整し、個別対応
パンチャカルマのステージと食の役割
1. 前処置期
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軽食とマイルドなハーブで体の準備を整える
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消化機能が整いはじめ、自然な食欲が戻ってくる時期
2. 浄化期
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治療内容に合わせた食事を提供(例:ピッタを促す酸味など)
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不要なものを無理なく外へ出すサポートを行う
3. 回復期
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消化機能がデリケートな時期。スープや柔らかい食事中心
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徐々に通常の食事へと戻し、日常へのスムーズな移行を図る

本ページの内容は、アーユルヴェーダの伝統的知見に基づいたものであり、医療行為・治療を目的としたものではありません。個別の症状については医師にご相談ください。